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so goodな毎日のつづき
by mizuki_n0314
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手から、手へ/詩・池井昌樹 写真・植田正治

d0150688_2210753.jpg最近いい詩に出会うことが多いのですが、これはとびきりの作品です。
池井昌樹さんの「手から、手へ」という詩と植田正治さんの写真のコラボです。
池井さんは存じ上げなかったのですが、植田正治さんの写真が好きなのと、帯の詩にやられて即買い。
植田さんの写真はモノクロの構成的でストイックな雰囲気が特徴。
人物などがまるでモノのようにすれすれの均衡で配置されているところ、変な湿っぽさとかがなくて好きです。
北園克衛好きな方には特にオススメ。

で、この本なのですが、帯に

---

どんなにやさしいちちははも
おまえたちとは一緒にいけない
どこかへ
やがてはかえるのだから

--

とあるようにちちははから子どもへ語りかける詩です。
愛しているからこその言葉、限りある時間、大事にして欲しいもの、連綿と続いていくもの。
詳しくはぜひ実際に本を手に取ってみて下さい。
1200円というお値段ですが、映画館で1本映画を観るよりよほど心に染み渡ってストーリーのある作品です。

この2人の作家さんを出会わせた編集者の手腕と感性も素晴らしいと思いました。
アートディレクションは佐藤卓さん。
昔、本づくりを志して心変わりした私ですが、出版印刷業界の底力を感じました。

季節は冷たい冬に移ってきました。
母と父が旅立った季節がまたやってきます。
母の時の記憶はずっと寒い夜のままです。
父の時は知らせを受けて仰ぎ見た夜空からちらちら雪が舞っていたのを今でも思い出します。

2人から受け継いだもの、さらにさかのぼってその2人のちちははから受け継いだもの。
それは何か、現実に追われる日々の中、立ち止まって考えてみたいです。

手から、手へ/詩・池井昌樹 写真・植田正治 Amaozon.co.jp
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by mizuki_n0314 | 2012-11-20 22:49 | book

THE BELOVED(VOICES FOR THREE HEADS)

先の記事で「平坦な戦場で僕らが生き延びること」という言葉を引用しましたが、ここ数日その言葉が心を去来してました。
で、ちょっと調べてみると、これ、岡崎京子の言葉ではなく、岡崎京子が引用した言葉だったんですね。
ウィリアム・ギブスンというSF作家の詩の引用なんですね。
私はSFについて行けない想像力の欠落した頭なので、この方のことを知らなかったのですが、かなり有名な方で「攻殻機動隊」や「マトリックス」に影響を与えた方なんですね。
なるほどー。
人間とテクノロジーの関係性や都市の退廃なんかを書いていたり。
で、この詩があると。
SF苦手な私でもチャレンジする入り口になるかもです。

ああ、久々にリバーズエッジ読みたい。

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THE BELOVED(VOICES FOR THREE HEADS)
愛する人(みっつの頭のための声)
ウィリアム・ギブスン
黒丸尚 訳
*岡崎京子「リバーズエッジ」の引用はIII.の部分です。

I.

明かりの下

マシーンが夢見る

憶えている

雑踏を

渋谷
タイムスクェア
ピカデリー

憶えている

駐車中の自転車
草の競技場
土に汚れた噴水

夜明けへとゆるやかに落ちていく中

愛する人の腕の中

思い出される

夜に沿って
ハイアットの洞穴の中
空港の半減期の中
ハロゲン狼の
刻の中

思い出される刻

ラジオの沈黙の中

ラジオの沈黙
ラジオの沈黙
ラジオの沈黙


II.

たかがミステリの歴史
たかが人間がどう迷うか、
だろうが
ただ、どうしても迷うのさ、
現に
どこの街だろうと、

たかが物事の流れ
ただの
交差点の雑踏
ただの舗道に落ちる雨
それが歴史というにすぎない、
実際

父はそうして迷った
母も同じ
母というのは、
実際そういうもの、
物事のありかたとして
ミステリのありかたとして、
ということ
でも狼たちも暗い公園で迷う
坊やたちも同じ
これは別のありかた

近頃の落ちかた


III.

この街は
悪疫のときにあって
僕らの短い永遠を知っていた

僕らの短い永遠

僕らの愛

僕らの愛は知っていた
街場レヴェルの
のっぺりした壁を

僕らの愛は知っていた
沈黙の周波数を

僕らの愛は知っていた
平坦な戦場を

僕らは現場担当者となった
格子を
解読しようとした

相転移して新たな
配置になるために

深い亀裂をパトロールするために

流れをマップするために

落ち葉を見るがいい
涸れた噴水を
めぐること

平坦な戦場で
僕らが生き延びること


THE BELOVED (VOICES FOR THREE HEADS)
BY WILLIAM GIBSON
ROBERT RONGO: KYOTO SHOIN, 1991

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本当にいい詩を読むと言葉がありません。
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by mizuki_n0314 | 2012-11-13 22:03 | book

安全な場所

人にはどこかほんの小さな場所でも許される場所が必要だと最近思う。
それが家でもいい誰かでもいい、できれば人がいい。
よく頑張ったね、私もそう思うよ、私は味方だよ。
例えまちがっても失敗しても大丈夫な場所。

今私は病気からの復職・再就職支援の仕事をしている。
そこで利用者さんからよくいただく言葉が「ここは失敗してもいい場所ですものね」という言葉だ。
私も経験したが、病気になること、その過程は何かがうまくいかなかったゆえのことが多く、本人はそこにひどく落胆したり混乱したり傷ついたりしている。
そうでない人と比べて自分はだめな人間で、できなくて、そしてまた失敗するのが怖いと思ったりもする。

そんなとき「安全な場所」は必要だと思う。
親子の関係だと教育という意味もあるのである程度の緊張感は必要だと思うが、大人に教育的指導はいらないと個人的には思う。
大学を出るくらいの年齢になったら一人の大人として自分で考え自分のあり方を決める力は持っている。
でも、若くても年を重ねてもうまくできないこと、失敗することはある。
病気になっちゃう人が特別なんじゃなくて、みんなそんな危ういすれすれのところを歩いている。
だから、「いいよ、やってみなよ」「大変だったでしょう」「失敗しても大丈夫だよ」「ここまで頑張ったってことが大事だよね」「今までに得たものはたくさんあるはずだよ」「これだけ頑張ればもういいよ」ってスタンス。
甘やかしているってことになるのかもしれないけど、でも平坦な戦場で僕らが生き延びるためには(岡崎京子「リバーズエッジ」より)そんな言葉や態度が受け取れる場所が必要なのかもしれない。

私は誰かのそんな場所になれているだろうか。
なっていきたいな、という思いを込めて。
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by mizuki_n0314 | 2012-11-11 07:56 | days


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