it's ALL right


so goodな毎日のつづき
by mizuki_n0314
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

ショートショート:「ひ」ひとりあまったものたち

また雨の休日だった。
待ち合わせにふたり早く着きすぎて、ふたり別々に街を歩いていた。
なあんだ、そうだったんだね、と始まる
夏の終わりとは少し違った、少しだけ慣れた待ち合わせ。

いつもひとつ足りない、いつもひとり余る。
ひとりは楽だ、でもひとりはさびしい。
組みになりたい、でもめんどうくさいこともある。

みんなみんな余りものなのかもしれない。私も彼も。
誰とも組みになれなかったふたり、こうやって
そぼ降る雨の日に並んで居るのかもしれない。

どこにもだれひとり余りなんて居ないのかもしれない。
私と彼がこうやってふたり仲良く安い台湾料理を食べて笑っているように。

どこかで、足りない何かを探しているのかもしれない。
私も彼も、どこかもう少し、ふっくらした気持ちで居られるところ、
光を感じることを探して彷徨っているのかもしれない。
私たちだけでなくて、他にもそういう人たちがいるのかもしれない。
ひとりあまったものたち。

帰りは春先の嵐だった。
ビニール傘の彼は、後から来たお客さんのたくさんのビニール傘にまぎれて
どれが自分のだか分からなくなってしまった。たぶん、これ、かな。

私がこわがっているほどは彼はあんまり気にしていない。
私が思っているよりは彼は嬉しいのかもしれない。
ひとりとひとりがふたりになるとじたばたもする。
でもこうやってうごめいて、やがて春が来るんだな、と
少しぬるい風を感じながら、桜が散った道を歩くふたりを思い浮かべた。

d0150688_20291475.jpg

[PR]
by mizuki_n0314 | 2016-02-23 20:29 | short short story
<< ショートショート:「よ」余白 ショートショート:「き」傷 >>


カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
リンク
最新のトラックバック
DEAN & DELUC..
from 殿のBlog
謹賀新年 今年もよろしく..
from 表参道 high&low
家飯 海南鶏飯
from 表参道 high&low
お花見 代々木公園
from 表参道 high&low
検索
その他のジャンル
最新の記事
画像一覧